同居相手は黒猫くん
「さっきの」
「あ…うん…」
どうしよう。
逃げ場がない。
「本当に?」
グイッと顔を近づけてきた。
うぅ…恥ずかしい。
「う、うん」
「なんで?」
刹はどんどん顔を近づけてくる。
な、なんでって……。
「お、弟として見れなくて…」
「えっ」
刹は目を見開いて固まる。
そして少し嬉しそうに頬を緩めた。
「すげえ進歩」
「へっ?」
「比乃一人でそこまで考えれたのか!」
そう言って刹は私を抱き締めた。
…っ??
「ちょ、刹…?」
「少女漫画とか読んだ意味ちょっとはあったかもなー」
ケラケラ笑う刹に、私は顔をしかめるしかなかった。
な、なんか少し馬鹿にされてる気分…。