同居相手は黒猫くん
「お母さん達に構わずに仲良くなっていいのよ?」
そっちかー!
私は溜息をついた。
「遠慮なんかしてないよ…」
思わず笑ってしまう。
そう。
遠慮なんかすることもない。
きっと。
「そう、なら良かったわ。刹くんも何かに遠慮してないといいけど」
お母さんはそう微笑んで野菜を切り始めた。
…刹が遠慮?
してるの…かな…?
「比乃ぉ〜腹減った〜」
駄々をこねる子供のような声を上げながら、刹が私の背中に抱きついてきた。
「せ、刹!?」
「ふふ、もう少し待ってね」
「うぃー」
お母さんの前でこいつは…っ。
恥ずかしいなあもう…!