同居相手は黒猫くん




屋上に出ると、心地のいい風が吹いた。


やっぱり屋上はいいなー。








「刹くんお弁当って珍しいわね」









みっちゃんは持って来たパンを一かじりした。


刹は「うっせー」と言いながらいそいそとお弁当を開けている。



和むなぁ。











「…比乃?」










ボーッと二人を見ていた私は、刹に声を掛けられて驚いてしまった。

ズイッと顔を近づけてくる刹。




肩が跳ねるほど心臓がドキリと鳴った。







…だ、駄目だ。


ほんとにいつもの私じゃない。




絶対に、おかしい。








すると不意に、屋上のドアが開かれた。









「あー、やっぱりいたー」











そう言ってニコニコと綺麗な笑顔を浮かべてこちらに歩いて来たのは、












「比乃ちゃんに会いたくて来ちゃった」











室谷先輩だ。




……って、何言ってるんですか!?







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