同居相手は黒猫くん
みっちゃんのそばへ行くと、私の手が掴まれた。
そしてそのまま引っ張られ、私はみっちゃんの懐にぽすっと飛び込んだ。
「頑張ったね、比乃」
そう言って私の頭を優しく撫でるみっちゃん。
…少し泣きそうになった。
ほんとにみっちゃんは私のこと、分かってくれてるなぁ。
するとみっちゃんは俯く刹の方を見た。
「刹くんも、比乃のこと褒めたいんじゃないの?」
…え?
その言葉に、刹は少し反応した。
「……家で褒める」
ボソッと呟くように言って、刹は立ち上がった。
…い、家で褒めるって…?
「そ。ならいいけど」
みっちゃんは溜息混じりに言う。
そして刹はそのまま屋上から出て行ってしまった。
……どうしよう。
何が起きてるのかさっぱり分かんない…。