同居相手は黒猫くん




みっちゃんのそばへ行くと、私の手が掴まれた。



そしてそのまま引っ張られ、私はみっちゃんの懐にぽすっと飛び込んだ。













「頑張ったね、比乃」




















そう言って私の頭を優しく撫でるみっちゃん。













…少し泣きそうになった。




ほんとにみっちゃんは私のこと、分かってくれてるなぁ。






















するとみっちゃんは俯く刹の方を見た。

















「刹くんも、比乃のこと褒めたいんじゃないの?」




















…え?





その言葉に、刹は少し反応した。



















「……家で褒める」





















ボソッと呟くように言って、刹は立ち上がった。





…い、家で褒めるって…?














「そ。ならいいけど」













みっちゃんは溜息混じりに言う。


そして刹はそのまま屋上から出て行ってしまった。















……どうしよう。







何が起きてるのかさっぱり分かんない…。









< 209 / 283 >

この作品をシェア

pagetop