同居相手は黒猫くん
!?
……!?
布団ごと刹に抱き締められている私は、思考も身体も固まってしまって。
な、なに!?
何してんの!?
「ま、また変なことして!」
絶対からかってるこの人!!
私は魔の手から逃れるべく、バタバタと布団の中で暴れた。
「動くなよー」
子供のようにそう言うと、刹は抱き締めていた腕の力を少しだけ強めてきた。
く、苦しい!
「せ、刹!死ぬ!」
「俺のこと襲うつもりで来たんだろーが」
そ、そんなことしません!!
逆に今私が襲われてるよ!
「刹苦しいって!ほんとに!」
「あったけーなー」
なんて言いながらケラケラ笑う刹。
その刹から逃れようと必死にもがく私。
……朝から何やってんの!?!
「ほんっとからかわないで!」
布団に埋もれている私はこもった声でしか抵抗ができない。
しかし私の言葉によって、刹は案外素直に解放してくれた。
「ぷはっ」
布団から顔を出して、大きく空気を吸う。