同居相手は黒猫くん
「な、何…?」
上靴の色からして、きっと一年生だ。
…どこかで会ったような…。
あっ!
文化祭の時ぶつかったあの子だ!
「自分は、柴咲先輩のことが許せません」
…て、え??
「柴咲先輩は人の心を弄び過ぎです」
キッと強く睨まれる。
…も、弄び過ぎって…。
私はあまり状況を理解出来ないまま、彼女を見つめた。
そこで佐久間くんが割って入る。
「ちょ、ちょっと。急に何っ?どういうこと?」
「佐久間先輩もなんでこんな人がいいんですか?」
彼女は次に佐久間くんに視線を移した。
佐久間くんは驚いて何も言えない様子。
こんな人がって……もしかして私?
「な、なんでそのこと知ってるの…?」
「見てれば分かります。自分はこんな分からずやな人、嫌ですけど」
そしてまた彼女は私に視線を戻した。
きつく睨まれる。
「柴咲先輩はなんでもかんでも分からないで済ませて、周りの人達の辛さを分かってなさ過ぎです」
鈍く重く心臓が鳴った。
すごく胸が苦しい。
…その通りだ。