同居相手は黒猫くん
…こんな気持ち初めて。
好きだと気付くと、とてもスッキリした。
心がポカポカして、満たされる。
でも、ここからどうしていいのか分からない。
私が気付いたって、刹が弟なことには変わりないし。
刹が私を姉として見ることに変わりはない。
それでも気付かなきゃいけなかった。
気付くことで一歩踏み出せるから。
「……よし」
私はガバッと体を起こした。
もう一度、あの一年の子と話そう。
あの子がこの気持ちを気付かせてくれた。
あの子の言ってたことはほとんど当たってた。
ちゃんと、彼女の問いに答えよう。
——コンコン。
すると、私の部屋のドアがノックされた。
返事をすると、お風呂上がりの刹が入って来た。
「わ…刹っ…」
「……」
ドキドキしている私の顔を見つめて、刹は無言で私の隣に座った。
…う。
好きって自覚してから刹見ると、やけにドキドキする…。