同居相手は黒猫くん
「…あ、私、また今度ちゃんと清水さんと話すことにしたの」
「え…」
刹はやっと顔を上げた。
その表情は、至って真顔。
「……比乃成長したな」
ボソッと呟いた刹は、私の頭をポンと撫でる。
「あんま急がなくていいんだけど……止まってくれそうにねーな」
少し笑った刹の顔が胸に焼きつく。
…すごくドキドキしてる。
「せ、刹が自分で考えろっていつも言うから…」
「うん。でもここまでちゃんと考えるとは思わんかった」
な、何よそれ!
どんだけ馬鹿にしてたの!?
「…比乃、今日の」
すると、刹は両手を広げて私を見つめた。
…ん?
「な、何?」
「ぎゅー」
ボッと顔が赤くなったのを感じた。
な、……ぎゅーって…!
反則だ……!