同居相手は黒猫くん
——ガチャ。
屋上に出ると、綺麗な空が見えた。
今日はあんまり風吹いてないや。
私達は前のように柵にもたれかかる。
…前、ここで佐久間くんは私に告白をしてくれた。
今日は…
「俺やっぱり柴咲のこと好き」
大きく跳ねた心臓。
こ、告白かぁ。
…佐久間くんはいつも直球だなぁ。
「…?なんで笑ってんの?(笑)」
「佐久間くんがあまりにも直球過ぎて」
「ハハハッ、それだけが取り柄だしな!」
そうはにかむ彼は、本当にキラキラしてた。
…それだけじゃないよ。
佐久間くんは、本当に優しくて、気遣いができて……本当に、良い人だよ。
本当に。
「……ごめん、佐久間くん…。
私、刹が好きなの…」
曖昧なままでもう終わらせれない。
ていうか、佐久間くんをそんな風に苦しめたくない。
私が傷つけてるのは分かってるけど、
だからこそ。
佐久間くんは私にはもったいないくらい優しい人だ。