同居相手は黒猫くん






刹だったから。












…刹だったからかもしれない。




















「…あのさ、佐久間くん…」





「ん?」




















こんなこと、私が聞くものじゃないんだけど…。



でも聞きたい。




















「佐久間くんは…その、刹のこと嫌だなって思ったことないの…?」




















私の質問にきょとんとする佐久間くん。










だって、好きな人が友達に取られるって…辛いはず。







私とみっちゃんで考えてみたら、本当に辛い。















…でも、




















「馬鹿だなー!なるわけないじゃん!」


























私も、相手がみっちゃんならならない。



嫌になるわけがない。
























「そりゃすっげー辛いけど、俺も刹のこと大好きだからな。柴咲と藤枝もだろ?」

















私は頷く。

















…なんだ、











私が思ってた以上に、刹と佐久間くんは仲良かったんだね。















男の子と女の子はやっぱり違うなー。
























「でも刹は俺のこと信頼してくれてなさそうだなー」





「…え!?」





「ずっと大事なこと、俺に遠慮してるし」




























〝遠慮〟…?






















〝刹くんも何かに遠慮してないといいけど〟






















お母さんの言葉を思い出す。














刹は、遠慮してるの…?









何に…??


















「まあこの話はちゃんと本人としなよ。…その前に俺も刹と話したいけど」






















刹と話す。










…話したい。




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