同居相手は黒猫くん
「…いないよー」
比乃の言葉に、女子達は残念そうに肩を落とした。
「そっかー」
「じゃあ好きな人できたら言ってね!」
そう言い残して、女子達は教室から出て行ってしまった。
取り残された比乃は、視線を感じて佐久間の方を見る。
佐久間は、じっと比乃達のことを見てたとキモがられると思い、焦り出す。
「…佐久間くんは、好きな人いる?」
「…え?」
意外な質問に、戸惑う佐久間。
しかしじっと見つめて答えを待ってる比乃を見て、クスッと笑った。
「んー、分かんない」
「分かんないかー」
そして佐久間は続ける。
「でも、その好きな人とお互い両想いになれたら、ずっと好きでいたいと思う」
突然何言ってんだろこいつ。と思われるかもと今更後悔する佐久間。
しかし比乃はきょとんとしたあと、笑顔を見せた。
「わー!それ素敵だねっ。私もそれがいい!」
この比乃に、佐久間は落ちた。