同居相手は黒猫くん





「だからもう、そんなことで好きな人傷つけなくていいから」
















ポンッと背中を叩かれる。






























俺は



















ずっと比乃のこと好きにならないようにしてた。



















関係が壊れるのが怖かった。























清水と話した時、俺はすごく怯えていた。














『刹先輩は柴咲先輩のこと好きなんですか?』
















好きになれなかった。




















『…でももし柴咲先輩が刹先輩に告白してきたらどうするんですか?』






















断るしかなかった。


















だから、比乃には自分の気持ちにあまり気付いて欲しくなかった。






比乃が気付いて、それを断るのが辛くてたまらないから。


















自分のことしか考えてないのは分かってるけど、怖かった。


















ずっと怖かった。



























比乃が幸せなら、今のままでいいと思ってしまった。
























そんな甘くねーよな。
























「…本当は柴咲のこと好きなんだろ?」


























俺は頷いた。






< 254 / 283 >

この作品をシェア

pagetop