同居相手は黒猫くん
「比乃ーーーーー」
「わっ」
後ろから突然抱き付いてきた刹を慌てて振り返った。
「喉渇いたー」
「…ジュース買ってくれば?」
「俺イチゴオレ」
「……わ、私に行けと?」
「帰って来たらキスしたる」
無表情でそんなことを言う刹に、私はボッと顔を赤くした。
こ、こんな教室で…!
「…あんたらくっついた途端ベタベタだね」
じとーっとしらけた目でこちらを見てくるのはみっちゃん。
呆れたような溜息をついている。
「だ、だって刹が、」
「付き合ってんだから別にいいだろ」
ズバッと言い放った刹はグイッと再び私を抱き寄せた。
…いや、ほんとに前より積極的になってる…。
「…佐久間くんが不憫だわ」
「あ?なんか言ったか」
「別に」
ありゃ…。
なんでこうもみっちゃんと刹は言い合うことが多いんだろ…。
たまに仲良さそうに話してるのにな。