同居相手は黒猫くん
そして休み時間。
私の周りにはクラスメイトの男女が囲っていた。
その中にはもちろん刹もいる。
「ねえねえ、ほんとに弟なの?」
「…再婚したとか?」
「姉弟だから、やっぱり一緒の布団とかで寝るの!?」
「なあなあ柴咲弟!お前サッカー部入らない?」
「柴咲くんかわいー!」
次々に飛び交っていくクラスメイトの声。
正直、質問が多過ぎて答えていく暇がないし何も聞こえない。
「バスケにしろよ!似合ってるし」
「サッカーだろ!」
「間を取ってバレーだな」
「なー、卓球にしない?」
男子は男子で部活の勧誘してるし……。
刹はめんどくさそうにポケットに手を突っ込んで黙り込んでいる。
その表情は険しく、今にも大声を上げてしまいそうで……、
ガタンッ!
「比乃!」
と、
突然刹は椅子から立ち上がった。
……って、
え?
「学校案内しろ」
そう吐き捨てるように私に声を掛けると、刹はぐいっと腕を掴んできた。
そしてそのままクラスメイトを押しのけて、ズカズカと教室をあとにしてしまったのだ。