同居相手は黒猫くん
「無意味なこと聞くんだなー」
「……無意味じゃないもん」
「どこが?」
「……馬鹿っ」
私はキッと刹を睨んだ。
刹は相変わらず無表情で私を見つめる。
お、怒ってるのに!
全然焦る様子もないし…っ。
悔しい…!
って、私どんどん性格悪くなってくなぁ…。
「もう部屋戻るね」
「…比乃」
「おやすみまた明日っ」
「比乃ーーー!」
そして私は愚かにもそこで立ち止まってしまう。
…つくづく意志が弱いなぁ。
立ち上がったまま刹を振り返ると、彼はいつもの顔で私を座りながら見ていた。
軽くあぐらを掻いたまま、刹はスッと両手を広げだす。
私はそこでまた心の緩みと愛しさを感じてしまった。
ほんと意志弱い…。