同居相手は黒猫くん
「俺さ、君みたいなおどおどした人、大っ嫌いなんだ」
……え。
先程とあまりに態度が違う彼を呆然と見つめる。
ど、どういう…こと?
「柴咲さんさぁ、自分で分かってんの?あんたのせいで室谷先輩や佐久間がどれだけ傷ついたか」
どくんと鈍く跳ねる心臓。
そんなことを言いながらも可愛らしい笑顔を見せる小堺くんが、怖くなってしまった。
「え、えと……」
「あんたがさっさと気持ちはっきりしないから、期待持ってたあの二人はすげえ傷ついたんだ」
思わず泣きそうになるのをぐっと堪える。
どうして小堺くんがそれを私に今言ってくるのか分からないけど、
それは事実だ。
私は人を傷つけた。
「あんたみたいな奴が幸せになるなんておかしい。残された人は傷ついたままなんだ」
小堺くんの言うことは間違ってない。
「柴咲さんはその人らの気持ちを分かってない」
幸せになった私に、その人達の気持ちが分かるはずがなかった。
私は最低だ。