同居相手は黒猫くん
「初めてなのは大体予想ついてたけど」
……はい!?
「でも泣くとは思わなかった」
「……泣くよそりゃあ」
だって。
別に好きとかでもなく、
刹は私をからかうようにキスをした。
それがすごくショックだった。
「……泣かれるとすげー困る…」
シュン…と、あからさまに落ち込む刹。
さっきまでの余裕の無表情は既にない。
「俺だって、いつ比乃にキスしようか今まで考えてたってのに……」
はい?
「…え、何それ」
「比乃さえ泣かなかったらエロいキスまでしてたけど」
あんたって人は……
「なんてハレンチ野郎なのっ!?」
突然怒鳴った私に、刹はビクッと肩を跳ねさせた。