同居相手は黒猫くん
「高校になったら告白しようとは思ってたんだけどなー」
佐久間くんは苦笑いをして、私の顔を見る。
「まさか柴咲に弟ができるとは」
「あはは…」
刹の先程の言葉と表情が一瞬蘇る。
〝……続きは家でしてやる〟
……一体何されるんだろ。
「んー、やっぱり隙あらば刹のこと考えてるなー柴咲」
腕を組んで大げさに悩む仕草をする佐久間くん。
え、んん!?
「…なっ、いやえっと……」
またもや図星を言い当てられた。
佐久間くんはエスパーでも使えるのかな…。
「…柴咲は俺のこと嫌い?」
佐久間くんはじっと私の顔を覗き込む。
同時にドキッと心臓が跳ねた。
「き、嫌いじゃないよっ。ていうかむしろ好き…!」
ハッ!
さっき告白してきた人にこんなこと言うのって、あり…?
決して恋愛感情があるわけじゃないんだけど……。
「…プッ、そっか(笑)ありがと」
佐久間くんはそう笑って、私を優しい目で見つめた。
「…じゃあ俺、柴咲のこと諦めないね」
えくぼがくっきり見えて、すごく爽やかに可愛く笑う佐久間くん。
私はそれに見惚れる間もなく、唖然として佐久間くんの言葉を理解しようとする。