同居相手は黒猫くん







「好き」



「……あっ、姉とか友達とかそういう好きじゃなくて――」



「好き」







…へ。




「…ほ、ほんとに…?」


「うん」





そう言う刹の表情は全く変わらず、何を考えてるかさっぱり分からない。



……ま、まさか。

ほんとに私のこと好きだったなんて…。





「…で?」


「えっ?」


「それ聞いて何しようとした?」






〝刹のことが好き〟



……刹も言ってくれたし、私も言わなきゃ……。





「……わ、私も…刹のこと好き…なの」




ドキドキしながら私が言うと、刹はまた大きく目を見開いた。





「は…?え、まじで言ってんの…?」





多分。って言いかけて、私は声を押し殺して頷いた。





「……もしかして、佐久間になんか言われた?」


「はぁーいそんな話は二人っきりの時にしなさい。ほら、二人とも服着替えてきて」




と、そこでまたお母さんが乱入してきた。



……続きは夜になりそうだ。




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