同居相手は黒猫くん
そして夜。
私は自分の部屋でもんもんと考えていた。
私は刹が好きで。
刹も私が好き。
……なんか実感ないっていうか…。
恋ってこういうものなんだろうか。
でも少女漫画の主人公は、好きな人と両想いって分かると、すっごい喜んでたような…。
うーん…分かんないなぁ。
――コンコン。
ドアをノックする音が聞こえて、私はベッドから体を起こした。
きっと刹だ。
「は、はい」
返事をすると、ドアを開けて刹がズカズカと入って来る。
「…刹」
「さっきの話」
「あ、うん…」
「佐久間になんか言われたのか?」
言われたっていうか、気付かされたっていうか…。
「う、ううん」
でもよく分かんないし、佐久間くんを巻き込むわけにはいかない。
私はそれを否定した。
「…ふーん」
刹は不満気にそう言うと、私の隣に腰を下ろす。