同居相手は黒猫くん
「ご、ごめん刹……なんかよく分かんない話しちゃって」
「別に」
刹の表情は変わらない。
……何考えてるんだろ。
と、その時。
ブーブーと私の携帯が鳴った。
何か通知している。
「あ」
携帯には〈室谷先輩〉の表示が。
〈比乃ちゃん、明日教室遊びに行っていい?〉
え?
「無理っつっとけ」
「わ、刹っ!」
横から私の携帯を覗いていた刹は、機嫌を悪くしている。
「教室に来るだけだし、断る理由がないよ」
「たらしには近付きたくありませんっつっとけ」
もー…。
なんで刹はそこまで室谷先輩のこと嫌いなんだろ。
「…比乃はそこらへん自覚しろ」
そう言うと、
刹は突然私を横から抱き締めた。
「な!?」
「お前は俺の姉なんだからな」
…?
よく分からないけど、刹が私の肩に顔を埋めてしまったので、私は何も言わなかった。
うん。
刹は弟なんだ。