同居相手は黒猫くん
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「はぁい比乃ちゃん」
「「「キャー!室谷センパーイ!!」」」
お昼休み。
メール通り、室谷先輩は私の教室へと遊びにやって来た。
そしていつものように周りの女子が先輩を見て騒ぎ出す。
……うぅ、その女子からの視線が痛い…。
「比乃ちゃん今日弁当なんだ」
「は、はい。私基本お弁当ですよ」
先輩は教室に入って来て、私とみっちゃんのもとまで来る。
「あれ、今日はあの刹くんいないの?」
「……刹なら、またパン買いに行ってます」
「ずっと一緒にいるわけじゃないんだね」
意味深に微笑む先輩。
……え?
「……ねぇ、比乃ちゃんなんかあった?」
……先輩は鋭いですね。
「いえ、別に何も…」
「刹くん絡みだね」
綺麗に微笑む先輩は、ほんとにかっこよかった。
「まあまた相談してね、比乃ちゃん」
室谷先輩はそう優しく言うと、私の頭をポンポンと撫でた。
包容力のある人だなぁ…。
「室谷先輩、何かと比乃に絡むよね」
「え?そうかな」
「うん。比乃馬鹿だからいいけど」
みっちゃんはそう怪しく笑って、パンをかじる。
……馬鹿卒業したいな。