Don’t Cry.


「んー、冷たくて、美味しい!」


水ようかんを口に頬張りながら、私は満面の笑みで笑った


「実琴、よく噛んで食べるのよ」


優しくて、温かいおばあちゃん。

電車はちょぴり怖かったけど、今年も会いにきて良かったぁ…


水ようかんも食べ終わり、ぷはー、と一息ついた



「そうだおじいちゃん!
この後、また家の周り散歩してきていい?!」



ふと思い出した私は、畳に手をついて身を乗り出しながら、おじいちゃんに聞いた。



「あぁ。ちゃんと帽子かぶって行きなさい。」


「はーい!」



そうして私は急いでお気に入りの麦わら帽子を被って、外に飛び出した



「ちゃんと、お昼ご飯までには帰ってくるのよ~」



「はーい!」



おばちゃんの声を背に、私は一気に駆け出した



< 7 / 17 >

この作品をシェア

pagetop