君に、メリークリスマス
君がここに遺した物は…
沢山あった。
思い出と共に…眠り続けて…いたのだ。
私は…
紙を広げる。
いくつかの黄色いシミが…できていた。
広げたそこには……
ツリーと、
サンタクロース。
あんなに大きく感じたツリーが。
今では…そうでもない。
いびつなサンタクロースは、相変わらずで。
「………。夢にまで来て下さって…ありがとうございます。」
思わず…
笑いが込み上げた。
『プレゼント、欲しくないか?』
「……………。」
左手の人差し指に…
指輪を嵌める。
「…………。本物…、もらってないし。」
じわりと…
涙が浮かんだ。
カーテンを開けると。
一面の……銀世界。
どんなに悲しくても、
どんなに泣いても……
朝は…やって来る。