鉄の救世主Ⅲ(くろがねのメシアⅢ)
「アメリカ軍の第一陣でやって来た兵士から口伝に聞いた話だから、どこまで本当なのかは信憑性に欠けるが、このモガディシュでのディアボの攻撃ですら、テロ対策部隊への陽動だったって噂もある」

「こちらに意識を向けさせておいて、アメリカ本国への攻撃が狙いだったという事か…」

パイロットの言葉に歯噛みする小川。

そんな会話の横で。

「……」

マットは両手を合わせ、眉間に皺を寄せる。

その表情に浮かぶのは、焦燥。

無理もない。

祖国が、アメリカが何者とも知れない相手に攻撃を受けている。

テロの脅威に晒されている。

いや、最早テロではない。

これは侵略だった。

< 176 / 360 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop