鉄の救世主Ⅲ(くろがねのメシアⅢ)
「そんなワシントン条約の保護動物見るような目で見られてもな」

苦笑いするジェフ。

「こっちこそ驚きだ。ダルフールでの活躍にARMOUR社の壊滅…いまや戦場に生きる者にとっては英雄とも言える小川分隊と作戦を共に出来るなんてな」

「光栄だ、よろしく頼む」

ほぼ年齢も同じくらい、早くも気心知れた様子で、小川とジェフは握手を交わす。

「ところで…状況は?」

「見ての通りだ」

小川がジェフに双眼鏡を渡す。

覗き込んだジェフの目に映ったのは、我が物顔でニューヨーク湾に停泊する複数の艦。

「演習でもこんな光景は滅多に見れない…レアものの光景だな」

煙草を足元で踏み消しながら、小暮がおどけた様子で言った。

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