俺とお前と貴様
「いきなり呼び出しちゃって、ごめんね!!」

うすうす感づいてはいた。でもまさか、本当にあなただったとは、吉岡さん。

まだ少ししか会話をしたことがないが、黒崎は告白ではないなと思っていた。

でも、校舎裏に呼び出すなんて、今までの黒崎の経験上、その理由は告白以外なかった。

「あのね、わたし、キミに伝えたいコトがあって、わざわざ呼び出したの!!」

手紙にそう書いてたじゃないですか。

「うん、なに?」

「あのねー、んっとねー、えっとねー・・・」

早くしてくれ、どうせ告白なんだろう。

「いいよ、吉岡さんがちゃんと言えるまで待つから。」

そう言い終わる前に、彼女が口を開いた。

「昨日、わたしのハンカチ拾ってくれて、ありがとう!!」

何回言うんだよ。

「うん、もう何回も聞いたよ。」

「これからも、わたしがハンカチ落としたら、拾ってください!!ヨロシクお願いします!」

彼女は、そのままの意味で言ったつもりだった。

だが、黒崎はそう解釈はしなかった。
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