俺のこと、好きになってみよ?
『俺さ、君のこと好きになっちゃった』
『…………は?』
ものすごく、自分の耳を疑いたくなった。
男の人から「好き」という単語が聞こえてきたのは、気のせいだろうか。
『あの、お客様、おっしゃっている意味がよくわからないのですが…』
『まぁ、突然で困るよね。 でも…君に一目惚れしちゃって』
『…⁉?!』
男の人は、目の前で爽やかな笑みを浮かべながらサラリと凄いことを言っている。
まさか、会って数分。
ましてや面識のない人に、
いきなり好きになった、だなんて言われるなんて思ってもみなかったことだった。