俺のこと、好きになってみよ?
常連客。
こんなことがあって、今に至るのです。
「えー別に良くない?親しみの仲として下の名前で呼ぶべきと俺は思うよ」
バイト仲間の嘉代さんは、九條さんが来るとささっとイスを差し出して目をハートにしながら「どうぞー」なんて言っちゃって。
あの日は嘉代さんなんて大興奮だったからね…。
「良くないです。親しみの仲でもなんでもありません」
「冷たいなぁ、彩葉ちゃん。でもそんなとこも好きー」
「気持ち悪いです」
九條さんはあれから、わざわざ私のシフトを聞き出して私のバイトの日だけに来るようになり。
あの日、レジに置いていったのは名刺で
【 Pipi - su Cafe 店長:九條 昴 】
と書かれてるのを見たときは少し驚いたけど。