俺のこと、好きになってみよ?
ひまりと別れて、ふぅ。とひと息つく。
いいよね、恋する乙女って。
あとひとくち分しかないドーナツを食べて、カルピスも飲んで。
一人で店に居続けるのもアレなので、ひまりの分のトレイを持って席を立つ。
恋、ねぇ。
私にはまだ…必要ないようは気がするんだよね。
『俺さ、君のこと好きになっちゃった』
ふとその言葉を思い出して、頭をぶんぶんと振る。
「…はぁ」
ため息をひとつ吐いて、店員さんの「ありがとうございましたー」の声を背に店を出た。