俺のこと、好きになってみよ?
「俺まで彩葉さんのこと好きっていったらどうする?」
「……はい、?」
なに、このてるくんまで頭狂ったんでしょうか。
言ってる意味がよくわからないんだけれど。
けど、てるくんは至って真顔で。
いやいや。どうするって言われても…
「や、あの…」
「昴にぃちゃんが好きになるのわかる気がするんですよね、彩葉さんのこと」
「なに、いってるんですか」
「俺、欲しいのはすぐ手に入れたいタイプなんです」
なにも言えなくて、ただ口をあんぐりと開けてる私。
「俺も暇なとき、ここ来ますね」
そう言って、てるくんは「じゃあ用事あるので」と笑いながら、店を出て行ったのです。