俺のこと、好きになってみよ?
「ず、ずるい…てる」
わなわなわな。と震えてる九條さん。
「なにがですか。ていうかいつまで肩掴んでるんですか」
「俺、彩葉ちゃんに下の名前で呼んでもらったことないよ⁉」
いや、だから早く肩を掴んでるその手を離していただきたい。
「…あー、そうですね」
「そうですね、じゃないよ!」
「だって…。……だから、早く手離してください」
「ああ、ごめんごめん。…って、じゃなくて!てるずるいんですけどー!」
ぶーぶー。と頬っぺたを膨らませ、足をジタバタさせている仮にも私より6歳年上の大人。