俺のこと、好きになってみよ?
そのドアの音にホッとしたということは言うまでもなくて。
だけど店に来たのは、
「昴にぃちゃん、迎えにきたよ」
白シャツに茶色のショートエプロンを腰に着ている、てるくんだった。
「て、てる!なんでいんの⁉」
突然のてるくんの登場に、私も九條さんも驚く。
「昴にぃちゃんがなかなか戻ってこないから、迎えに行ってこいって言われた」
「まじかー」
てるくんは、私と目が合うと「こんにちは」と、ぺこりと挨拶をした。