俺のこと、好きになってみよ?
「ほら、いつまでも店にいたら彩葉さんに迷惑でしょ」
「だって〜…」
「だってじゃないよ、戻るよ〜」
どうやら、てるくんはなかなか店に戻らない九條さんを迎えに来たという。
イスに座ってぶーぶーわめいている、子どもみたいな大人をなだめているてるくん。
…これじゃ、どっちが子どもかわからないな。
「てかなんでいいとこで来るの、てるはっ」
「なにが?」
「せっかく彩葉ちゃんに名前呼んでもらえるとこだったのに〜っ!」
「名前?」
ちょ、いらんこと言わなくていいよ。
首を傾げたてるくんは、私の方を見た。