俺のこと、好きになってみよ?
「て、てるくん…どこ行くの?」
てるくんと並んで歩く中、あまり見慣れない道を通るもんだからまじまじと街並みを見ていた。
「んー? それはねー、着いてからのお楽しみかなぁ」
…なんじゃそら。
「…てかさ、急すぎませんかてるくん」
「あはは〜今日はね、彩葉さんいないとダメかなって思ったからさぁ」
「どうして?」
と、そう聞き返そうと思ったとき。
ー 〜♪ 〜♪
「…あ、電話。ごめん彩葉さん」
「う、うん」
てるくんの携帯に電話が鳴って、聞き返せなかった。
話すなら止まろうかと思ったけど、てるくんはそのまま歩く。
「もしもーし。 あやかさんどうしたの? え?あー…もうすぐ着くよ!うん」
…もうすぐ着くって、いったいどこに行くんだろう。