俺のこと、好きになってみよ?
そして。
「ここだよ彩葉さん」
目的地に着いたらしい。
なんか、嫌な予感がするのは気のせいだろうか。
てるくんの声に、私は俯いていた顔を上げた。
「………てるくん」
「はい?」
「帰るね」
「いやいやダメでしょ」
Uターンをしようとした私を力ずくで止めにはいるてるくん。
結局は力に負け、Uターンすることは無理だったのだけれど。
「なんでここなの」
「まぁまぁいいからいいから!入りましょうよ」
ニコニコと笑うてるくんが指差す先には
あの、九條さんのお店。