それでも出会えてよかったと思えるんだ

『さっちゃんと会ったんだ…』




『えっ？』



『会社でね、ぶつかった相手が彼だった』



『同じ会社だもんな、いつかは会うよな。そりゃ』




『話がしたいと言われたけど、逃げてきちゃった』




『…そうか。…それでよかったのか？』




『…わからない。でも、今更何を話したいのかわからない』



『…』



『…私のこと、からかってるのかな？まだ試したいのかな？』



『…そうに決まってんだろ。久しぶりに会ったから、またやれるかなって思ったんだろ』


『下品な言い方するんだから…でも、そうなんだよね…』



『お前は、はるに負けないくらい頑張るんだろ？もうそんなことでつまづくな』



『わかってる。頑張らないとね。こうして亘が来てくれて幸せだー！』



『嘘っぽいなー、その言い方』



『…でも、亘、彼女はいいの？』



『いいの、いいの』



『ふーん、心広い子だね』



『お前みたいに手を焼く友達がいることを、前もって話してるからな』



『そっか…』



亘には、彼女がいる


わかってるけど、なんか複雑…


今までの人より長く続いてるし…



こうして、亘がかけつけてくれるのも、はるにフラれた私を心配してのこと


亘は優しいから…



でも、いつまでも甘えてちゃいけないんだよね



私は、色々人を傷つけた分、強くならないといけないんだ