それでも出会えてよかったと思えるんだ
『…そうだな、わかんねえよ。けど、俺違うと思うぜ。選ばれなかったんじゃなくて、お前が選ばない女なんだよ。でも、それも余計だな。悪かったな。…あいつと幸せにな』



そういって、亘は去って行った



亘の後ろ姿に、泣きながら

『亘のバカっ』


って、言ったけど、亘は振り向くことはなかった


今まで亘と喧嘩したりしたことはあったけど、すぐまた私が連絡すると、亘は優しく迎えてくれた



というか、私が一人怒って、一人拗ねて、機嫌が直ったら亘に連絡してたんだ


亘に本当に手を離された気がした


凄く辛かった


最近寄り近くに感じていた亘が、一気に遠くにいった気がして…


寂しい気持ちも入り交じり、今まで感じたことのない複雑な気持ちで胸が一杯になった


誰かに必要とされたいけど、私は誰に必要とされたいのだろうか?


私を必要としてくれたら、誰でもいい…は、もう駄目だ…



私は変わらないと、強くならなきゃ…


でないと、私は多分ずっと、一人のままだ…

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