それでも出会えてよかったと思えるんだ
『…でも、私が握る手は、この手ではありません』




そう告げて、静かに手を離した




『私はもっと、自分を見つめ直して、自分のこの手で、握りたい手を見付けたいと思います。ありがとうございました。そして、さようなら』




さっちゃんの目が一瞬凄く驚き大きくなった

そして、その後すぐ目を閉じて、深く深呼吸した


そして、目を開け、私を見て




『…わかった。俺も君に出会えてよかったよ。ありがとう。そして、ごめんな』




そして、一礼をして、お金をおき、席を立つ私に、さっちゃんが言った

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