それでも出会えてよかったと思えるんだ
ある週末の金曜日のことだった


その日は二人だった



『今日は、もう一軒付き合えよ』

ご飯を食べた後、雰囲気のいい、バーに連れていってもらった



そして、程よい気分になった頃、さっちゃんが、熱い瞳で私を見てきて、手を握ってきた


『あのー、課長、酔っちゃいましたか?』



『そうだな。ずっとお前にな』



『今日の課長、口が上手いですね。そんなこといって、もっと仕事頑張れって、はっぱかけてます?』



『頑張るお前見てて、なんかもっとお前の事見たくなった』



『課長。有り難うございます。仕事頑張るので、これからも見ていて下さいね』



そう言って、優しくさっちゃんの手をほどいた



さらって流したけど、心臓はバクバク



なんとなく、食事を誘われるうちに、ひょっとしたら私に興味があるのかなとは、思っていたけど、それをわかって行ってた私


今考えると、私もその頃から気になっていたのかもしれない



でも、はるを裏切れない気持ちと、さっちゃんが結婚しているのを知っていたし、木葉達のことも記憶にあるから、不倫はしたくないと思う自制心で、自分を抑制出来た
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