それでも出会えてよかったと思えるんだ
さっちゃん
『…あっ…』
『…』
どうして?ここにいるの?
あっ…、実家に帰ってきたからか…
そうか…
ても、同じところに来るなんて…
『ゆきー、これでいい?』
この人…
『…ゆき、お知り合い?』
『…あー、会社の子だ。本店にいた時の部下だよ』
『あら、そうなの。初めまして、いつも主人がお世話になっております』
『…あっ、城山です。…お世話になっております』
『年始早々上司の顔なんて見たくないものよね。デートの水さして、ごめんなさいね。あなた、邪魔しちゃ悪いから行きましょ。彼氏さんも、ごめんなさいね』
『いえ、こちらこそ、気を使わせてすいません』
亘…答えてくれてるし…
流石だね、気が効くね…
そこにいたのに、さっちゃんと私は、ほとんど言葉を発せずにいた
奥さんが、さっちゃんに腕を絡めて去って行った
わかっていたこと
彼には、お世話になっていますと言ってくれる妻がいること
わかっていたけど、目の当たりにすると、心が思ったよりダメージを受けること、もっとわかっておくべきだった