それでも出会えてよかったと思えるんだ
『俺、否定しなかったけど、よかった?何か下手に発言しないほうがいいと思ってさ』



『うん、よかった。だから、さっさと去ってくれたし』



『…綿菓子かっちゃろか?』




『綿菓子?何で』



『なんとなく、童心にかえってみないか?なんて』



『バカ、綿菓子嫌い…。でも、りんごあめ買って』



『お前でかいのな。俺ちっちゃいのにしよっと、買いに行くぞ、ほら』



亘が手をひいてくれた


『手は繋がないんじゃなかったのかよ、バカル』



『彼氏だから、繋がないとおかしいっしょ。アホル』


亘…ありがと


亘の手、すごく冷たいけど、あったかいよ


こうして、初めて手を繋いだけど、亘の手、ごつごつしてて、亘は男なんだなって、思った



亘が手を出してくれなかったら、私、涙が止まらなかったよ


私は、一人じゃないよって、亘が言ってくれたみたいで、凄く落ち着いた



亘とさよならする時、亘が言った
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