それでも出会えてよかったと思えるんだ
『どうぞ』
手が震えないように、深呼吸をしてから、お茶を出した
『冷えていたから、助かるわ』
暫く沈黙の後、奥さんが口を開いた
『この前の彼氏と違うわね』
写真のことだ
『貴女モテるのね。それとも、どの人も人のもの?』
『前のは、友達です』
『友達って、便利な表現ね』
『…』
『友達に見えなかったけど。だからあの時、主人の様子もおかしかったと思うけど』
あの時、見抜いてたんだ
『いつからなの?』