それでも出会えてよかったと思えるんだ
『…』



『まぁ、ここ二、三ヶ月の付き合いじゃないんだろうけど。でも、大胆よね。あの人、ここのところ様子変なんだもの。わかりやすすぎてね。段々図々しくなってくのね』


『…』


『この部屋で、抱き合ってたんなら、シーツ破ってやろうと思って、ハサミ持ってきたんだけど、ここには来てない感じがするから、これ、捨てといて』



そう言って、机にハサミを置いた


あえて刃先を持って、刃先をこちらに向けて置いた…


その行為に、一瞬身震いした



『別にそれで、私を刺してくれて、犯罪者になってくれてもいいんだけどね。まぁ、主人はそうしたら、貴女を許さないだろうけど』



怖い

この人…

そんな風に思ってしまった

でも、そんな風にさせたのは、私のせいなんだよね…
< 70 / 142 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop