それでも出会えてよかったと思えるんだ

しばらくはるを待ったけど、バイトなのか戻る気配がないので、はるの家の近くのファストフードで待つことにした




外を見ながら、はるを待った


その間も、どうしてなのか、考えていた


はるに会うのに、今までに感じたことのない、不安が心を占めていた




はるを、こうして待つのは、いつ以来だろう


はるは、よくデートの約束をしていても、仕事で約束の時間に行けない私を待ってくれた


最近、待ってもらってばかりで、はるを待つことすらしていなかった



学生時代は、デートなのに、寝坊してしまうはるを待ったり、はるの講義が終わるのが遅い時は待ったりしていた


はる、まだかなって、はるが来るのをドキドキしながら


今のドキドキとは、全然違うドキドキ


私がそのドキドキを、どこかに忘れてきちゃったから、はるが遠くに行ってしまうのかな?



はるをずっと、ドキドキしながら待っていたら、はるは私の手を離そうとしなかったのかな?



はるは、いつから私にドキドキしなくなったの



それとも、こんな私にずっとときめいていてくれた?


それは…、ないっか…


そんなことを考えていたら




また、着信拒否の連絡が入った




『…もう、試さないで、ほっといて』




少し前まであんなに泣いていたのに、今は、はるのことで頭が一杯なのか、そのお知らせがうざく感じられた
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