それでも出会えてよかったと思えるんだ
『…とりあえず家来るか?』
はるは、ポンポンって、私の頭をたたいた
でも…はる…、抱き締めてくれなかった
部屋に入ると
『何か飲むか?』
と、聞くはるに、いてもたってもいられなくて、いきなり聞いてしまった
『…はる、引っ越すの?』
段ボールが何個かあった
佑樹の言ってた事、本当なんだ
『コーヒーいれるな』
『…はる、何もいらない。ちゃんと話して。メールも電話も返してくれないし』
はるは、私の質問には答えず、いらないと言ったコーヒーを作った
その間、私も黙っていた
永遠にコーヒーを作り続けるわけないから、はると向き合い話せるまで待とうと思った
でも、コーヒーを作るのを待つ間の一秒一秒が、何分にも感じられた
これから、はるに何を言われるかもわからず、答えを急いだ
後で時間が止まればいいのにと思うとは知らずに…