それでも出会えてよかったと思えるんだ
『なおは、別に俺がいなくても、大丈夫だろ?』
『そんなわけないじゃん。…どのくらい向こうに行くの?』
『わからないけど、とりあえず1年』
『1年も?…決めたの?』
『うん』
『いつから?』
『二週間後』
『すぐじゃん』
『うん』
『私はどうしたらいいの?』
『なおは、なおらしく生きたらいいよ。俺を待つ必要もないし…』
『私は、必要ないってこと?』
『…俺が必要ないのは、なおだろ?』
何言ってるの?
必要ないわけないじゃん
『必要ないわけないじゃん。はるがいなくなって、平気なわけないじゃん』
はるは、深くため息をついて、言った
『…お前が、風邪で寝込んだ時、電話あったんだ』