Because[短篇]
「気付かなかったとか、マジうぜー」
「し、知らないよ!」
そんな回りくどい愛情表現、分かるわけがないじゃない!だって、メロンパンだよ?!そんなの誰だってパシられてるとしか思えないでしょ!
私の肩に手を回し、
逃がすまいと力を入れながら匡が言う。
「…お仕置きする?」
「結構です!」
「拒否権ナシ。」
だったら最初から聞くなっての!
きっと睨もうと匡の顔を見た瞬間、
私達は甘い時間に飲まれてしまった。
何で虐めるかって?
何でそんな目で見るかって?
んなの決まってるじゃねぇか。
「志保、好きって言えよ。」
「…ばか。」
俺で頭を一杯にするためだよ。
俺のことだけ考えさせるためだよ。
「俺は超好きなんですけど?」
俺の下で頬を染める志保。
やっと捕まえた。
「…私も、好き。」
もう逃がさない。
離さない。
よっちゃんなんて、
二度と言わせねぇから。
覚悟しとけ。
Because...
それは君が好きだから。
END