Because[短篇]



匡は比較的背が高いほうだ。
髪も明るめの茶色。
いわゆる目立つ系の部類。



「あ、匡君!」

「よ。」



私の頭を数回ぽんぽん、と叩き席を離れた匡にタイミングよく話しかけたのは匡と同じ髪の色をした海ちゃん。



白い肌にぱっちりした瞳。
…いつ見ても可愛いよなー



女の子に見惚れる私ってどう?
なんて自分で自分に突っ込む。




…ん?
あれ、今、目が合ったような。




「また、志保ちゃんパシってんの?」

「…悪いかよ」

「いや、可哀想だなって。」




そして聞こえた会話。
私を見るその瞳。


匡を見つめる、
その瞳。





か、可哀想!?
私ってそんな風に見られてたの!?




二人がきゃっきゃと会話を楽しんでいる横を通り過ぎ、私は渡された500円玉を握り、小走りに教室を飛び出した。














匡と知り合ったのは今からちょうど1年くらい前。


あの日もこうやって、購買に向って走っていたっけな。…私の大好きなメロンパンを買いに。


早く行かなきゃ売り切れちゃう!
前も見ずに猛ダッシュ




「うぉっと」

「へ?」



パリ、ン


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