シェリー ~イケない恋だと、わかっていても~
やっぱり、何かおかしい。いつもは脱ぎっぱなしか、わたしに預けるのに断るなんて有り得ない。
そして、わたしの横を通り過ぎた時、グレーがクロになった。
……甘い香り。
わたしの持ってる香りじゃないし、これは絶対女ものの香水。
わたしの頭の中で、瞬時に組み立てられるパズル。
7時……帰ってこない。
起きてる……怒られる。
コート……渡してくれない。
匂い……甘ったるい香り。
もう完全に浮気だと思った。だからって、単刀直入に聞けないわたしがいる。
もし万が一、本当に仕事だったら……?もし、浮気を認めたら……?
そんな考えをしていると、先にリビングへ行ってたけいちゃんが廊下に戻ってきた。
「なぁ、なにあのすごい料理」
そっか……。けいちゃんは忘れちゃったんだね。
わたしたちの結婚記念日。
そんな日に女とイチャイチャしてきたの。
泣きたい気持ちをグッと堪え、笑顔でけいちゃんに言う。
「今日、特売日で!たくさん作り過ぎちゃったの」
あなたは、これが嘘だって分かんないんだろうね。
「ふーん、それにしたって作り過ぎだろ。誕生日でもないのに、ケーキまで作って」
ほら、分かってない。
そして、わたしの横を通り過ぎた時、グレーがクロになった。
……甘い香り。
わたしの持ってる香りじゃないし、これは絶対女ものの香水。
わたしの頭の中で、瞬時に組み立てられるパズル。
7時……帰ってこない。
起きてる……怒られる。
コート……渡してくれない。
匂い……甘ったるい香り。
もう完全に浮気だと思った。だからって、単刀直入に聞けないわたしがいる。
もし万が一、本当に仕事だったら……?もし、浮気を認めたら……?
そんな考えをしていると、先にリビングへ行ってたけいちゃんが廊下に戻ってきた。
「なぁ、なにあのすごい料理」
そっか……。けいちゃんは忘れちゃったんだね。
わたしたちの結婚記念日。
そんな日に女とイチャイチャしてきたの。
泣きたい気持ちをグッと堪え、笑顔でけいちゃんに言う。
「今日、特売日で!たくさん作り過ぎちゃったの」
あなたは、これが嘘だって分かんないんだろうね。
「ふーん、それにしたって作り過ぎだろ。誕生日でもないのに、ケーキまで作って」
ほら、分かってない。